加害者・被害者共に自動車保険(任意保険)が使えなかった事故について話そう。

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最近、交通事故について任意保険が使えず、泣き寝入りするとかしないとか、という記事を見かけました。

 

かつて私も、相手側も自分側も任意保険が使えなかった事故に遭ったことがあります。

もう、ずーっと前のことなので、あまり役にたたないかもしれないけれど、ちょっと書き出してみようかなと思います。

 

  

 

私の事故の経緯はコチラ

当時大学4年生。私は割と夜型だったので、夜遅くまで研究室にいて、夕飯は学食で食べたり、友達や先輩とご飯を食べることが多い日々。その日は先輩たちとご飯を食べて、もう夜も遅いからと自宅まで送ってもらうことになりました。

 

自宅まであと100m。

 

片道2車線の、制限速度は一応60㌔だけど、皆がスピードを出すので有名な県道と交差する、信号のある交差点で、赤信号を無視した車が左側から突っ込んできました

 

前ドアと後ろドアの間にぶつかられたので、車は水平に一回転したらしいです。本当に運が良く、運転手と助手席の2人はシートベルトをしていて、ほぼ無傷でした。

しかし、当時は後部座席にシートベルト着用の義務はなく、後部座席に一人で乗っていた私はしていませんでした。そのため、私は遠心力で吹っ飛ばされて、自分でガラスに突っ込んだらしく、気が付いたら 左半分を中心に顔が血だらけに・・・。

 

すぐに救急車が来て大学近くの病院に搬送されました。

 

中で年齢を聞かれたけど、救急隊員の人が「26歳?」聞き間違えたのを「ちがう!23歳」と必死で修正。一緒に救急車に同乗していた先輩は、その光景をみて「ダイジョブだと思った」と後日話しました。

 

意識もちゃんとしていたし、なんだかそんなに痛くなかったんだけど、のちに廃車になった車の写真を見て、大きな事故だったんだなぁ、と他人事のように感想を持ちました。

 

加害者側の状況はコチラ

加害者は免許をとって2週間の高校生でした。免許を取ったのが嬉しくて、母の車を借りて、友達とドライブしていたのでしょう。

 

そして彼は知らなかったのでしょう。

母の入っている保険では、自分は保障の対象ではないことを。

運転者を限定することによって、値段を抑えることができる特約に入っていたのです。

 

運転するなら、保険がおりるかどうか確認せんかい!!

 

と思ったけれど、自分も「自分の」原付を所有するまでは、保険についてあまり知りませんでした。自動車学校で、保険のことまで詳しくは教えてもらえませんし、もし教えてくれていたとしても、学校に通っているときは、そこまで考えていたかどうか・・・。

 

もし、家族に自動車学校に通っている人がいるなら、今後、車に乗ることは明らかです。

 

もしそれが、ご自身のお子さんであるならば、免許をとることを決めた時点で乗るかもしれない車の任意保険で家族特約や年齢特約を変更しておくことをお薦めします。

 

幸いなことに、加害者側の車に乗っていた高校生四人は無傷でした。

 

過失ゼロ!任意保険は使えない。

こちらの車も動いていたので、割合としては少ないとはいえ、過失をとられてもおかしくはなかったと思います。がしかし、保険会社の交渉術なのか何なのか、こちらは過失ゼロということになりました。

 

基本的に任意保険の場合は、過失ゼロの場合は、自車側の保険会社は弁護士特約でもない限り、介入がありません。たまたま担当の方が良い人だったので少し相談にのってくれましたが、大部分の交渉は自分でやるしかないということになりました。

 

とりあえず、車の持ち主は車の賠償についての交渉を、私はケガについての保障と示談までの交渉を行っていくことになります。

 

加害者が未成年。交渉相手は保護者となりました。

親一人、子一人の家庭で、お母さん(Aさんとします)の車に乗って事故を起こし、相手にケガを負わせた息子・・・。でも、一応未成年です。申し訳ないけれど、交渉の相手はAさんです。

 

Aさんは息子の過失を認め、必要な保障をしてくれることになりました。うちの親の年にも近いし、段々申し訳なくなってきたのですが、正直事故直後に会った人には衝撃を与える顔の傷です。

 

貰えるものは貰わないと、ということで、心を鬼にします。

 

治療はどれくらい長引くかわかりませんから、安易に「大丈夫です」とか「示談にしましょう」とかのことばを使ってはいけません。

 

傷害については自賠責保険で補償

任意保険は使えませんでしたが、強制保険である「自賠責保険」からは補償してもらうことができました。自賠責保険は、任意保険と違って営利性がないので個人の事故の有無が、今後の等級変更には影響しません。

 

自賠責保険とは・・・自動車または二輪自動車・原動機付自転車(原付)にかけられる強制保険のこと。営利性はなく、金融庁が毎年検討して金額を決めている。

 

しかし、手続きは基本的に加入者が行います。私の場合はAさんが、きちんと手続きを踏んでくれる方でしたので、運が良かったのです。

 

相手がなかなか動かない場合は、自分で催促をしなければなりません。

 

任意保険の場合は申請をすると次年度からの等級が下がります。等級が下がろうが、事故を起こしたのだから、相応の賠償する責任はあるとは思うのですが、話しが通じない相手もいます。

 

何かのときのための保険なのに、使いたくないとか、何のために保険に入っとるんじゃい!?(怒)って思いますし、怒りがフツフツ沸いてくるかもしれませんが、ここはぐっと抑えましょう。

 

自賠責保険であれば等級は下がりません。等級は下がらないことを伝えて、手続きだけはお願いできないかと聞いてみましょう。

 

それでもダメなときは、泣き寝入りではなく、各自治体の相談や、民間弁護士無料相談など活用してみると良いのでは?

 

結果的に自分で対応することになろうとも、一人でモヤモヤするよりも、方向性がまとまるかもしれません。

 

たとえば福岡県の場合は相談箇所一覧がありました。 

交通事故のご相談は - 福岡県庁ホームページ

 

日弁連も相談センターを設けています。

弁護士による交通事故相談・示談あっ旋・審査なら日弁連交通事故相談センター

 

診断と治療

事故直後の治療は湿布と消毒程度で済みました。

私のケガは、事故の割にはかなり軽く済んだと思います。

 

■左肩亜脱臼

湿布程度で安静にするしかない。早々に治療は終了しました。

 

■左顔面裂傷(複数部)

車のガラスは粉々になると立方体になるんです。それが左顔面に入りこんだり、裂けて直線の傷を複数つくりました。ナイフのような欠片ではないため、幸い傷はそこまで深くなりませんでしたが、それでも、会う人が「!?」という顔をして、ひくくらいの数の傷ができました。

数日後に皮膚の再生に合わせて、ガラスがポロリと落ちることもありました。

 

頭部外傷はなかったとされたけれど・・・・

当時特に触れられなかったのですが、実は少し専門知識を得た今となっては、CTを撮ってもらえなかったことについて疑問を持っています。

 

特に問題ないと判断されたのでしょうが、左顔面の傷を考えると、前頭部を打っていてもおかしくない状況でした。頭部外傷の場合は後から症状がでる場合があります。熱が出る、会話が噛み合わない、ぼんやりしている、物が見えにくい、手足がしびれる、動きにくいなど、事故前になかった症状が出た場合は早急に受診しましょう。

 

 

左顔面裂傷をきれいにする手術(形成外科)

事故から半年ほど経過してから、左顔面に残ってしまった大きな傷については、形成外科で切開して、傷の幅を細かくするために再縫合することになりました。部分麻酔だったので、医師が軽めのJ-POPをかけて、ナースと会話をしつつの手術でした。

 

おいおい大丈夫か???と思ったけれど、さすがプロ。

麻酔が切れる前にきっちり終わり、抜糸後は赤みがありましたが、明らかに傷の幅が細くなりました。 

 

すぐに気にしなくなりましたが、普段しないマスクをしている時期がありました。

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症状固定で積極的治療は終了へ

傷を小さくする手術をした後は、経過をみるほかは、治療としては特に何もすることがなくなりました。半年もすれば、経過観察の受診もほぼなくなり、そろそろ収束させていかなければならない時期かな?と思いました。

 

「症状固定」で治療は終了とされる 

一度負ったケガは完全に治癒するとは限りません。しかし、医学的には「もう治療することは何もないよ」という時期がやってきます。

 

これを「症状固定」と言います。

 

症状固定とされてしまうと、その後何か治療が行われることになろうとも、基本的には治療費が支払われなくなります。

 

特に任意保険に入っていると、保険会社から促され、納得していなくても治療費が打ち切りになってしまうことがあります。嫌な言い方をすると、保険会社には、次々と事故の案件が入ってきます。いつまでも1つの案件にかかっているわけにはいかないからです。

 

しかし、治療の要・不要は、期間が経ったからと単純に決められるものではなく、当事者と医師で相談して決められるものです。保険会社からの促しを安易に受け入れるのではなく、必要であれば客観的な立場の人に相談してみると良いと思います。

 

 

残存する障害には後遺障害認定

症状固定はこれ以上治療をすることがないということです。しかし、残念ながら、回復の見込みがないということは、完治とイコールではなく、その後も障害が残っていく場合もあります。

 

残ってしまう傷や障害を後遺障害と呼びます。後遺障害の程度は自賠責保険の等級認定によって区分され、その等級に応じた賠償金が支払われることになります。

 

私の場合は、「治療」は終わりましたが、その後も傷が残りました。こちらについては、後遺障害として認定を受け、相応の慰謝料を貰うことになりました。

 

症状固定としたのは、私の場合は約半年後でした。脳の損傷による記憶障害や言語障害、身体の麻痺などに比べ、「切り傷」というのは、ある意味症状が固定したかどうかがわかりやすいことも、スムーズに進んだ要因だと思います。

 

逆に言うと、見えない障害が残った場合は、症状固定の見極めがしづらく、治療も長期に渡るものです。周りからみると何ら普通に見えても、生活上の困難が著しい場合もありますから、安易には症状固定や、示談交渉はしないほうがいいと思います。

 

任意保険未加入時は被害者申請を行う

後遺障害の認定は自賠責保険から受けることになります。任意保険に入っていると、保険会社の担当者が申請を行ってくれることがありますが、私の場合は任意保険は使えなかったので後遺障害の認定は必然的に被害者請求になりました。

 

自分で色々書類をそろえて自賠責保険の保険会社に提出をします。

 

私のときは、損害保険料率算出機構の地区出張所?に出向いて、顔の傷の様子を見てもらったと思うのですが、書類だけで判断されることもあるのでしょうか。

一応、その時点では、複数の赤い線が顔に残っていました。 20代の未婚の女性の顔に複数の傷がついていると、なんだか申し訳ないけれど、男性の顔の傷より、重く扱ってくれて認定は重くなりました。 

 

もし、加害者が任意保険に入っていると、自賠責保険に関係する部分を任意保険の会社がやってくれて、最終的には一括で支払いば行われることも多いのだとか。

 

基本的には書類が同じであれば、認定に変化もないとは言われています。これが「楽~♪」と思う方もいるかもしれませんが、自分に残されてしまった障害について、本当に正確に認定してもらえるのかな?と思われる方は、任意保険に入っていても被害者請求ができます。

 

少々手間がかかっても、どちらが納得できる交渉ができるのかを考えてから、請求方法を決めた方がいいと思います。

 

被害者請求と事前認定|後遺障害等級認定のしくみ

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自賠責は最低限の保障のみ 納得できる慰謝料は?

被害者としては、本来であれば負わなくてよかったケガに対しては治療費だけではなく、負ってしまったケガや障害に対する補償(後遺障害慰謝料)の他、心理的負担に対する慰謝料も払ってほしいところです・・・。

 

私のケガは幸いにも軽くすみましたが、一応結婚前に顔に傷をつけた、ということで、オトンが交渉をして、多少慰謝料を上乗せしてもらいました。

 

運が良かった、としか言いようがありません。

 

事故によっては命を失ったり、事故前と同じような社会参加が全くできなくなるどころか、家族の負担が非常に大きくなる場合もあります。

 

しかし、自賠責保険が保障する金額は最低限の保障のみ。これ以外にも補償が欲しい場合は、自分で交渉するしかありません。相手によっては、全く交渉ができない場合もあるかもしれません。人生が狂ってしまった、そんな人もいるんだろうと思います。

 

この事故以降、保険に入るときって、相手にケガを負わせたら?ということばかりを考えてしまうけれど、実は自分が被害にあったら?ということも考えた方がいいのではないかと思いました。

 

被害者になるかもしれない!やっておいた方がいいこと

その後、幸いにも、おおきな事故を起こすことなく過ごしてきました。でも、事故はいつ起こってもおかしくありません。自分のウッカリだけではなく、ちょっとしたことで巻き込まれることが起こります。

 

車の装備にドライブレコーダーをつける。

ドライブレコーダーは動かしようのない証拠になります。

最近では、比較的安価に取り付けられるものもありますからお薦めです。かくいう私は、数年前に取り付けをしました。最初は夫の興味でしたが、取り付けた今となっては、危ない場面に出くわしたりすると「これ証拠になるなぁ」と思うことがシバシバ。

 

自分の不注意での事故はもちろんですが、こちらに過失がないと思っていても立証できなければ過失割合が高くなる可能性があります。また、貰い事故や、事故を見かけた場面などでも有効だと思います。

 

任意保険は契約状況を確認する

補償内容を確認せず、ただ継続して契約していることはありませんか。物損についても、補償額が小さかったり、条件が変更になっている場合があります。面倒でも一度確認しておく方がいいですよ。

 

◯必ず運転者の年齢に合う保険に入る

運転者特約を付けるのであれば対象が誰になるのかをしっかりと把握しておきましょう。年齢だけではなく、家族限定などの場合もあります。たとえば、息子さんや娘さんが、友達に車を貸して起きた事故の場合にも、何かとトラブルになりますので注意しましょう。

 

◯保険に弁護士費用特約をつける。

弁護士費用については意見が分かれるところと思います。交渉というのは、一方的に要求だけを伝えても通るものではありません。万が一のときに、いわゆる専門家に交渉を変わってもらえるというのは、小心者の私はかなり心強いだろうなぁと思っています。

  

まとめ

強い運と、驚異的な傷の治癒力があったためか、現在ではスッピンでも、初めて会った人には傷の有無はわからないと思います。

 

でも、特に夏など紫外線を浴びたり、皮膚の温度が高くなったり、汗をかいたりすると傷の痒みがでます。しとしとと雨が降る日に、亜脱臼をした左肩は痛みます。

 

すでに過去の事故になってしまいましたが、何十年も経っても、元通りというわけではありません。

 

事故が大きければ、たとえ命が助かっても、事故前と事故後の変化は大きなものです。

事故を起こさないこと、事故に遭遇しないことが一番ですが、もし万が一を考えて準備をしておくことも、必要なのかもしれないなぁ。

 

そして、自分たちだけではなく、高齢になっていく両親の運転についても、考えていかなければならないなぁと思う今日この頃です。

 

読んでいただき、ありがとうございました(^^♪